もとにはもうどうしたって戻らない
鬱は治らない。
寛解はするが、元にはもうどうしたって戻らない。
正直、わたしはまだ寛解すらしていない。
動けない日もあるし、何にもしたくない日もたくさんある。
ただ、人は一人で生きていくのであれば、働かなければ食べていけない。だから働くだけ。
淡々と続く日常に感情も色合いも見出だせないとしても日々をやり過ごさなければならない。
壊れるほど働いても死ぬことはかなわなかった上に体を壊しただけという結果になった以上、もはや過労で先に逝くことはわたしには出来ないと知ったので、日々を何とかあと五十年ほどやり過ごす方法を探さなければならない。
元に戻れば世界に色が戻ってくるのか、感情が揺れたりするのだろうか、とたまに思う。
しかしそれを壊してしまった今、もはや新しく別の方法を探さなければならないのだと知った今日この頃である。
鬱になったら、もう元には戻れないという覚悟を決めなければならない人間もいるようだ。